2025年7月20日日曜日

7月19日 「湿原の妖精ハッチョウトンボに会い、照葉樹林の守り神ヒメハルゼミの声を聞く」観察会

  早々と梅雨が明けて、暑い日が続いています。

学長観察会は今回で4回目になります。先生を含めて14名です。

今日は三カ所の駅からそれぞれの参加者をピックアップしていただき、

宝塚自然の家に集合します。真夏の真昼 14時です。


 先着された服部先生は松尾湿原へ向かわれたとの連絡をいただきました。

ん? 予定と違うけど。 第二陣の全員到着後、湿原へ向かいます。

 湿原では既に観察会が始まっています。




宝塚エコネットの梶原代表による一円玉サービスもあります。

慣れるまでどこに飛んでいるのか分かりません。


 人が近づいても逃げないのは、縄張りを主張しているためと、

梶原代表から教えていただきました。水分が微妙な加減で残り続けている

湿地がハッチョウトンボにとっては、一等地ということです。

メスを呼んで子孫を残すために必死なんですね。

 先生からこの湿原管理の経過についてのお話がありました。


 湿原から駐車場への戻り道では、先生による草木の説明を受けながら

葉の手触りの違いや、木の枝や実を味見しての五感で観察する贅沢な時間です。


 さて、駐車場へ到着して10分程休憩します。

4台の車に分乗して次は猪名川ふるさと館に近い、天沢寺へ。

あらかじめお願いしていたお寺の駐車場に停めさせていただきます。


 お寺に挨拶に行くと、ザワザワザワ~と波のような音が降ってきました。

参加メンバーに急いで集まってもらって、お寺に隣接する八坂神社の

境内でヒメハルゼミの声を待ちます。

 先生の説明の途中で、また、ザワザワザワ~と波のような音が

寄せてきました。その長さは2~3分程。遠くから夕立が近づいてきて

頭上に押し寄せ、次第にフェードアウトするような感じです。

全部で5回ほどの鳴き声のかたまりを聞くことができました。

 この観察会に参加する前は、ただセミの鳴き声を聞くだけなんやろぅと

高をくくていましたが、現地で本物の音を聞くとその荘厳さに圧倒されます。


 常緑広葉樹林が里山にされずに原生のまま縄文時代から残っているから

ヒメハルゼミがこのように生き残っている。猪名川水系ではここだけとのこと。

兵庫県内でも数えるほどしかないそうです。

 案内ボランティアの方によると、この辺りは奈良時代から木材を都へ運ぶ

水運が盛んだったところで、「やないづ」と呼ばれていたそうです。

 猪名川町の教育委員会教育長もお越しになり、

天然記念物指定化へ取り組まれているお話がありました。


 OB会メンバーがヒメハルゼミの抜け殻を発見、大人の指の半分ほどの幅です。

意外と小さい。成虫は高い木の上なので捕まえるのは至難とのこと。



 帰り際のご住職のお話によると、

朝でも日が当たっているところで鳴くことがある。日差しを好むように感じる。

夜は7時ごろでピタッと鳴き止む。8月になると鳴かない、とのことです。

 心配していた熱中症になる方もおられず、

17時頃にそれぞれの車で最寄り駅へ向かいました。

服部先生、ご参加の皆さん、暑い中お疲れさまでした。

そして、車で送迎いただいたメンバーの方々、ありがとうございました。





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