2024年1月20日土曜日

丹波地域環境パートナーシップ会議シンポジウム

「里山と生物多様性保全と木質バイオマスエネルギーの活用を考える」

~丹波地域環境パートナーシップ会議10周年記念シンポジウム~

所用のため10時半頃からWebで視聴しました。

   篠山会場 50名、Web視聴 47名 とのことです。

以下、そのメモです。

(記念講演)里山保全から考える生物多様性と森の利活用  <服部先生>

          里山放置林を活用するために多面的機能で、環境学習の場へ

     北摂里山の事例 まち山の先進事例 川西・水明台 渓のさくら

     木質バイオマスの利用事例 菊炭友の会・川西里山クラブ・ひとくら森のクラブ


     木質バイオマスの利用では、萌芽更新での再生ができるようにすることが重要

     ただ伐るだけでなく循環再生できるように伐ること。


  (活動報告)

    ■こども向け環境学習 

       「丹波はなにもない」ではなくて「丹波には素敵な自然がある」

       虫取りや顕微鏡での虫の観察からスタート

       五感を使う自然あそびのプログラムを推奨

       ●自然あそびの効用

        夢中になる・チャレンジする・正解はない・気持ちが落ち着く・

        だれでも遊べる・危険やルールをからだで感じ覚える

       ●自然あそびはこどもに欠かせないものです



    ■里山とオオムラサキ

       幼虫10ヶ月エノキの葉を食べる・サナギ2週間・6~8月にチョウになる

       チョウはクヌギなどの樹液を吸うので、エノキとクヌギなどの雑木林が必要

       河合雅雄先生の指導とともに活動

       ケージでの飼育後の放蝶会や出前授業を実施


    (午後の部)

    ■バイオマス木質チップ燃料~発電の活用        兵庫パルプ工業株式会社

       丹波市山南町のパルプ生産と木質バイオマス発電の会社 1955年創業

       バイオマス発電用燃料の要求品質

            適度な大きさ体積・水分率少なく・異物混入少なく

       グリーン電力証書を取得し、環境付加価値のある電力として証券化し

       取引対象となる。

       地元の木材利用を増やしていきたい

    ■里山の獣害被害

       林業部門のシカ被害は統計上で近年減っているが、新植(植樹)が

       減ったためである。

       防護柵はスカートネットやL字ネットを推奨

       広くネットで囲うよりも、小さい範囲で複数囲む方がリスク分散されて

       管理しやすい       


    ■木質チップ生産を通じた地域づくり

       木の駅プロジェクト 売上ピークで64万円、近年は24万円

       林業関係者の高齢化と市民の森への関心が低下したのではないか

       「木育」・・・間伐体験や木工を通してこどもに気づきを持ってもらう


    ■パネルディスカッション

       キーワードは、「ローカルSDGs」と「地域循環共生圏」

       環境・経済・社会を統合した取り組みが大切

       顔の見える関係性が丹波にはある



生物多様性の定義は時代とともに変化していく。

       今の生物多様性は昔の里山をイメージされているが、

       新しい木質利用での生物多様性は今からつくられるものです。


       外来生物について、

       在来種の生育に影響を及ぼすような、侵略的外来種は除かれるべき。

       その地域に昔からある生物群を守ること。

       在来種であってもシカやクズなどのように、他の在来種生育に影響が

       出てくると管理が必要。

       丹波の森には、人と文化と自然が息づいている。