2017年6月18日日曜日

皿池湿原見学(北摂里山愛す会2017年度第1回フィールドワーク) 

皿池湿原見学(北摂里山愛す会2017年度第1回フィールドワーク) 
開催日:2017年6月10日(土) 9:30~13:00
湿原の概要:皿池湿原は、8つの湿原群からなり、生物多様性に富んだ県下有数の中間湿原です。植物群落のの貴重性を示す「兵庫県版レッドデータブック2010植物群落」においても「規模的、質的にすぐれており貴重性の程度も高く、全国価値に相当するもの」としてAランクに指定されています。

見学内容愛す会のメンバーがこの湿原保全活動の「守り人」と活躍していることから貴重な見学のチャンスがありました。当日は、車で来た人と、電車で来た人を合わせて24名になりました。三田市テクノパーク第2テクノ公園から徒歩で皿池、上皿池を中心とした湿原群をめぐり、希少な昆虫や植物を見学しました。
皿池湿原エリアは、手前の大正池、三田池、更に奥の皿池、上皿池の周辺地域を指しています。
新三田駅前集合風景
お天気も良く、暑くなく吹く風が涼しい朝でした。車組はパスカル三田に集合し、電車で来られた方を新三田駅で迎えました。
第2テクノ公園駐車場
                                長靴に履き替え、湿原群を目指す。
第2テクノ公園駐車場
三田市環境衛生課 高木氏より概要説明があり、これより出発。

三田池
大正池から三田池へ向かい、三田池の堤防を上っています。
皿池湖畔から奥の湿原Bを眺めたところ
夏になれば対岸の湿原に ”ハッチョウトンボ”や”サギソウ”が見られます。
皿池湖畔から上皿池との間の湿原を眺めたところ
皿池と上皿池の間の湿地には”ノハナショウブ(ハナショウブの原種)”が自生しています。そのほか大きく生育した”サクラバハンノキ”も多数自生しており、ハンノキにしかいない”ミドリシジミ”も生息しています。
皿池と上皿池の間から最大面積の湿原Aの眺め
手前は上皿池です、”ミナミメダカ”が生息しています。ブラックバスやブルーギルは発見されていません。湿原Aには、”ハッチョウトンボ”、”トキソウ”、”サギソウ”、”カキラン”、”ノハナショウブ”などが見られます。
湿原G”ハッチョウトンボ”と”モウセンゴケ”
頭の先から尻尾の先まで約2cmのハッチョウトンボの♂。♀の方が少ないような気がしますが、♀もいました。湿原は”オオミズゴケ”が群生しており湿地の周りには ”トキソウ” が自生していました。”カキラン”も季節が来れば花を咲かせます。
”ハッチョウトンボ♀” 5期湯浅さん撮影
湿原G”ヒメタイコウチ” 5期湯浅さん撮影

本種は水中には適応しておらず、湧水が沁み出す程度の浅い水辺に生息しており、水上で陸生の虫を捕食する。陸生の傾向が強いかと思いきや、飛ぶことができず、ごく限られた生息環境で生き残っている実に興味深い種であり、氷河期の依存種との説まである。姿はタイコウチの小型のようで似ているが、呼吸管は非常に短い。水中での生活に適応できていない半水生の昆虫である。
自前弁当で昼食・懇談(皿池湖畔で昼食)

面白い形状木・ソヨゴを見つけた!(N字木)
2回折れた記録を持つ樹木、梢の葉は青々として、生命力の凄さを感じました。 今回、回れなかった小さな湿原が周辺に沢山あり、見学の為の木道を計画しています。保全の観点からどの程度整備するか検討中です。
①8月19日(土)は三田市主催で一般の見学会を計画しているそうです、丁度その頃は ”サギソウ”が満開と思われます、三田市民以外でも参加できるので、発表があれば 皆様にお知らせいたします。7月中旬になれば 三田市のHPからも見ることができます。
 ②8月20日(日)は3つの湿原巡り(丸山湿原、松尾湿原、皿池湿原)の予定もあるようです、詳細が分ればお知らせいたします。